食品用MRI:イワガキのMRI 岩牡蠣 

Update : 2016.12.22 (22:32:30)

Posted : 2016.12.22 (14:41:55)

 記事作成 2016-12-22 14:52:46

 先日のNMR討論会(広島)の懇親会において瀬戸内のカキ蒸し焼きを頂いた事などもあって気になっていたので,イワガキ(全長約12cm)のMRIを久々に行ってみました。使用したのは自社製のデジタルMRI (DTRX6, 0.2T/160mm永久磁石磁気回路, ソレノイドコイル)。一度,冷凍された試料を自然解凍して撮像しました。添付図の左側が3D-SEの6分50秒撮像で,CSで1/4時間短縮しています。参考に3Dレンダリング像のアップロードしています。右下が,2D-SEの投影像を13秒で取得しています。TR/TE=100/20msなのでほぼ同一の画像コントラストです。2Dスライス選択での画像取得も試みましたが,やはりカキ殻が大きすぎてスライス位置が断定し辛いです。結果としてはスライス選択無しで例えば生殖巣(右下画像なら左側の丸い高輝度部分)の発達具合が確認できます。カキのin-situ健康診断にもMRIを使っていただきたいですね。なお予想通り,冷凍庫から取り出した直後の冷凍イワガキのNMR信号からMRI画像を得ることはできませんでした。

思い起こせば農水省アグリビジネス補助金でカキのNMR/MRIは散々にやりました。土浦の市場で殻付きカキ(10個入り)がいつでも買えたのです。当時,カキの身入り重量の全数検査機を目指していました。マガキはNMR信号強度によって身入り[g]を計測できるところまでいったのですが,イワガキはなんとカキ殻に海水がかなり含まれていることが分かり,NMR信号による重量計測を断念しました。当時の技術では,MRI画像の取得はどうやっても数秒かかっていました。現在なら?!

担当者より

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3Dレンダリング動画 20161221_oyster12399_raysum

3Dスライススタック画像 00012399-res1mm-201407-img-zerofill