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すしのMRI続報 テレビ番組集録 CompacTscan

Update : 2008年06月05日 (03:46 PM)

TV-Asahi_loc.jpg  さて、先日練習したにぎり寿司のMRI、はやくも実力を試すときがきました。銀座の有名すし店と、老舗すしロボットとの対決を、イメージングにより解析するというもの。両者18gにぴったり調整された通称シャリダマをトレーにのせて、高速勾配エコーの3D撮像。結果は、7月6日夜9時からの番組内で、テレビ朝日系で放映される予定。おそらく30秒から1分くらいの場面ですが、興味のある方はどうぞ。その間にいろいろとわかったことをメモしておきます。
 ・おいしいにぎり寿司は、空気がフンワリと入っている。すし職人のシャリダマには。。。。。。!
 ・食事時間に応じて、シャリダマの米の量を変えている。たとえばランチ用は多めに、夜は少なめ。
 ・最近のにぎり寿司は冷やさない常温近くがトレンド。手の温度が高いと米が手にひっつくとか、
  だから女性は握れないとか、そういうのは過去の話、とか。
 ・2連休の後では、すし職人でも手に米が引っ付いてしまうらしい。毎日握ることで掌の表面に
  何かしらのコーティングが持続するということなのか?
 ・寿司ロボは、1時間に、2500個から最高で10000個のシャリダマ作成が可能である。オプションの
  装備により、お皿にのせたりする作業も可能である。
 ・寿司ロボの開発コンセプトとしては、すし職人を助けるというのが基本。人間が最後に入魂する
  ということが味へ影響するという寿司ロボ会社のこだわり。
 ・寿司ロボは、衛生的、かつ安定したシャリダマを供給することが可能である。
 ・寿司職人の服装はなぜか、下駄と特徴のある和製エプロン(名前があるはず)である。 
こんな感じでしょうか。医療機器業界では医師が花形、つまり装置は医師を助ける道具です。そんなセンスで、おいしい食を支えるすしロボットには妙に共感するところがありました。以上。

フジテレビ スーパーニュース に コンパクトTスキャンが出演(数秒)

Update : 2008年05月29日 (10:41 AM)

FujiTV%282008-5-28-1%29.jpg 2008年5月28日、18時24分頃にフジテレビスーパーニュースに、リウマチ用MRIが出演しました。
餃子の具に鶏卵を混ぜるとジューシーになる、という内容で、T1強調画像でコントラスト差が確認できました。宇都宮出身者に言わせれば、知る人ぞ知る、常識のようです。いつも思うのですが、背景の棚をもう少し整理整頓しておく必要がありますね。以上。

にぎり寿司のMRI画像(MR Images of SUSHI)

Update : 2008年05月27日 (09:36 PM)

本日は、リウマチ用MRIを食品用MRIとして使用し、お寿司のMRIを実施してみました。食材は、近所のカスミで購入した¥500円のお寿司セットのうち、マグロ赤身(右;Maguro)、いくらの軍艦巻き(中央;Salmon roe)、そしてリファレンスのための¥100円のお赤飯のおにぎり(左; red-rice ball)です。
sushi.jpg 静磁場強度0.3Teslaの装置で、撮像シークエンスは3D-GradientEcho、撮像時間約11min、マトリクス512x256x64、TR/TE=40/6ms、空間分解能0.4x0.4x0.8mmです。示している画像は、ネタののっている上側のスライスと、中心付近のスライス。
おにぎりの画像内部で、上下の画像を比較してみますと、米の密度ムラがあるのがわかります。また小豆がところどころに点在しているのも見えます。いっぽうで、軍艦巻きと握りのシャリの密度の差も多少ありそうな感じにも見えますし、イクラとマグロそのものも画像になっています。そのうち画像から味がわかるような未来は来るのでしょうか。おコメの粒の向きの統計解析、なんかが可能になると面白いかもしれません;どうやって画像認識させて数を数えるのでしょうね。。。ということで撮像オペレーションの半田さん大変ありがとうございました。
以上。

CF-Y5 レッツノートのHDD交換; 困難だったため敢えて記述

Update : 2008年05月24日 (11:59 PM)

 購入したCF-Y5(ノートパソコン、Vista)が1年を経過したので、HDDの交換を試みた。最近のレッツノートはメカニカルな部分しか壊れないので、HDDが最も故障しやすいパーツである。電源ICなどが弱いノートPCもあるようであるが、ここでは言及しない。また、CF-Y5にはクーリングファンがあるので、これもそのうちに焼けついて故障するであろうが、今のところ異音はしていない。これまでレッツノートのHDDなど数々のHDDは異音がしてから全く動かなくなるまでせいぜい1週間前後しか寿命がなかったので、この事実を考慮するなら事前に定期交換しておくのが賢明である。
 Windowsには、電源を切るときのオプションとしておもにノートPC向けに、休止モードというメモリ情報をHDDにすべて書き込むものがあるが、Microsoftはこの使用を推奨していない。停止中も少し電力は消費するが、スリープモードというものですぐにPCが立ち上げられるモードをむしろ推奨している。つまり、HDDへの1GBを超えるようなメモリイメージを毎日^2書き込みを行いまた読み込むと、1年も経てばそれだけでHDDがくたびれてしまう。今回のCF-Y5は、休止モードを一回も使ったことがないためか、たしかにこれまでの経験に比較すると、読み書きのエラーで立ち止まることがない。もともと富士通の120GBが取り付けてあったが、WESTERN DIGITALのWD2500BEVE (250GB 9.5mm)を購入し、交換を試みた。
 Acronis True Imageを使えば、HDDの完全コピーは容易にできる。いつものようにクローンを作成し、HDDを入れ替え、PCの起動をかけてみたがものの20秒毎で、勝手に再起動が掛かってしまい、Vistaの起動画面までたどり着かない。数年前であれば、誰かのHPにHDD交換のための情報も散見されたが、さすがに最近は簡単になりすぎてしまったため、わざわざ失敗談を載せているHPもないようだ。とは言っても、このCF-Y5のHDDの寿命は必ず来るので、交換しないわけにはいかない。また、新しいPCを購入したとしても、ソフトウェア群の再インストールを行わなくてはならず、考えただけでも疲れてしまう。PCがさほど遅くなく、HDDのみの交換なら、クローニングが採るべき代替案である。
 その後、160GB、120GBのハードディスクを試し、BIOSレベルでのHDD認識の問題でないことがわかった。どうやら、HDDのファイルに、PCとHDDのハードウェア情報を両方とももしくはどちらかをファイルとしてHDD内に持っており、これが合致しないとVistaが起動しないようになっているようだ。そうやって、CF-Y5のマニュアルをよく読んでいると、120GB-HDDの頭にMBR(ブートローダー)とは別に、2GB程のパーティションが確保されており、これは絶対に削除しないように、と注意書きが書いてある。まだ因果関係は分からないが、WinXP等とは異なり、少し特殊なことをやっていることは間違いないようだ。つまり、特殊なことをこちらもしないと成功しない、というサインである。
 最初のトライアルからすでに1週間が経過しており、250GB(元の120GBからHDDイメージは完全にクローニングされているもの)のHDDに、CF-Y5を購入した時に同梱されていたリカバリDVDでもって、OSを立ち上げることにした。そのDVDを起動ドライブで立ち上げ、しばらくすると、
 ・OSの再インストール
 ・HDD内部情報の消去(HDDを捨てる場合のツール)
 ・OS不具合の修正
といった内容の3択の画面が出てきた。最初はOSの再インストールをする気持ちではあったが、急きょ、3番目のOSの不具合の修正を選択することにした。結果としてはこれが最適解。「HDDに不具合が見つかりましたのでこれを修正しますか?」との質問にOKし、再起動をかけるとAcronisによるHDD交換終了のTEXT画面が例によって一瞬あらわれ、Vistaが従来通りに起動した。OS起動後に、WordやLiveOneCareを起動してみたが、ライセンスに関わるようなことも含めて一切文句は(PCから)言ってこなかった。
 ということでHDDの、120GBから250GBへの交換は成功した。ただし、2GBのパーティションと、その内部に格納されていた600MB程度のファイルが何を意味していたのかはわからなかった。また、VistaがOSの立ち上がりに必要なHDDの情報を、その2GBに保管しているのか、そのあとの120GBもしくは250GBに保持しているのかも判断することはできなかった。ともあれ、TrueImageにはいつも感謝している。また、CF-Y5は、+ネジ3本でHDDの取り外しが可能であり、この容易さがなければ、今頃は別の決断をしていたであろう。この一週間に何回、取り外しをしたかわからない。数年前に最初に購入したレッツノート、CF-W2のHDD交換は、筺体を開けるのにプラスチック部品をいくつか破損させ、HDDのIDEピンまで折らねばならず、結構に大変だったことを覚えているが、それでも今回は別の意味で難解な作業であった。もちろん、外部の業者に頼んでもよいわけだが、セキュリティの問題などを考えても、自前でできて悪いことはない。以上。

第3回日本分子イメージング学会に参加して

Update : 2008年05月23日 (01:01 AM)

さて、日本分子イメージング学会は今回で開催第3回目。そもそもマルチモダリティの応用
を掲げている学会でもありますが、そのような計測機器に携わる研究者群を横断的に
まとめ上げるようなリーダーシップを発揮できるヘッドおよび組織が成り立つのか、
ということへのチャレンジそのものとも考えられる学会です。
午前中はおもにGFPの話であった。最初の招待講演者であるR.Hoffman博士のtalkは
大変にeducativeであり、1960年代の下村脩博士のGFPの発見から現在最先端の
発光・蛍光イメージングに至るまでの経過を丁寧にlectureされた。
それにしても蛍光イメージングは、色=colorが多く、事情に華々しいのでMRI屋から見ると
若干の、嫉妬心を感じずにはいられない。三浦正幸先生の御講演は、MRIではほぼ全く
題材に上がらないアポトーシスの話であったが、ショウジョウバエのメカニズムを
中心に大変に丁寧にお話になられただけでなく、日本語に冗長性が全くないしゃべり
方をなさるので、結構難しい話ではあったが、集中して聞くことができた。このような
単一細胞を起点として(もしくはそれよりも小さい分子レベルとの示唆もあった大きさで)
起こっている現象には、細胞をラベルすることができる特徴も強く、光イメージング
は大変に強力むしろ標準ツールであると改めて思う。このような人たちにはMRIは不要
であろうし、今後も、光が透過する実験系をどんどんと追及されていくのだろう。
午後に入って、シンポジウムということで、MRI関係の講演があった。
横山昌幸先生のDDS(ドラッグデリバリシステム)を用いたMRI造影剤へのアプローチ
は興味深かった。つまり話によれば、抗原抗体反応などはおおよそ25年前のトピック
であり、現在はリポソームや高分子ミセルといったDDSキャリアを利用して、造影剤を場合に
よっては抗がん剤などの治療薬と混ぜて投与する時代であるというものである。
DDSキャリアに関しては、すでに学問分野が形成されており、そのでの先駆者の知見
は間違いなくMRI造影剤開発でも今後の活躍があることは想像に難くない。
つまり、ターゲットへ薬物(=Gd等)をデリバリする技術がすでにあるわけである。
高分子ミセルのサイズが10umφ、分子量20000であるのに対し、Gdの割合が30%と高く
なってしまっているのが現状のDDS型のMRI造影剤の問題であると忌憚なく説明があった。
6月29日30日にDDS学会があるとのアナウンスもあった。
青木伊知男先生の話は、総論でまとまったものであったが、Feのナノパーティクルの話
では、1.63umφの1個が、MRIでは100倍に拡大されて黒く抜けると画像の提示があった。
ということで、足場を確認するには非常に有意義な学会参加であった。
MRminiSAは、良好な画質と使いやすさをさらに前面に押し出すよう研究開発を
進めるのがもっとも適切と考えられる。まだまだ道のりは長そうであるが、
光学顕微鏡と同じく普及するよう、MRIの道筋を開拓して行きたいと思う。
*******************
 PS.朝の出来事。つくば駅からTXを使い南流山駅で乗り換えたのですが、
 朝の通勤ラッシュでそれなりに衝撃的な光景が。武蔵野線からTX南流山駅(地下)
 までに、3本平行にあるエスカレータの2本が下り線用になっている時間帯の午前7時、
 その2本のエレベータには武蔵野線からガンガンガンと途切れなく駆け降りて
 くる人々の波が。もちろん暗黙の左側に立つというルールを守って立ち止まって
 降りてこられる普通の方もそれなりにいらっしゃる。後でこの原因を考えてみたが、
 TXと武蔵野線はそれなりに利便性が高いのにもかからわず、本数が少ないことが
 問題ではないかと思う。
 TX秋葉原駅も地下深くである意味、老人子供には危ないですが、TX南流山駅も大変
 な危険度です。TX運行会社としてはそういう状況はすでに分かっているはずでしょう
 から、対策を講じられた方がよいかと思います。ここで書いても読まないか。な。

ノイズキャンセラーのあれこれ

Update : 2008年05月21日 (05:03 PM)

最近のノイズキャンセラーの品々についてコメントいたします。
・皆様におなじみのB社のヘッドフォン、クワイアットcomfort。ヘッドホンに取り付けられた小型マイクが外部からの音声信号を取り込み、これを信号処理して、ヘッドフォンから逆位相で適切に増幅することにより、外部の音声信号をキャンセルしてしまうというもの。海外出張のロングフライト時には適度な静寂を確保することができますので、非常に重宝します。また、オーディオなどを聞くときでも、ボリュームが小さめでも聞こえますので、難聴になるのを予防することにもなります。耳を覆うタイプではなく、インナーヘッドフォンでも充分です(成田空港の免税店で買うと少し安い)。
・最近に気になっております、J社の、アクティブ磁場キャンセラーシステム。電子顕微鏡やNMR/MRIへの、外部からの変動磁場をキャンセルしてくれるようです。フラックスゲートセンサーを用いて、地磁気の1/10位の変動まで、準DC~500Hzまで、最大-40dBの減衰が可能。最新の廉価版は、中級セダン車を1台分くらいとか。
・リウマチ用MRIは、外来RFノイズをキャンセルする回路が導入してあり、シールドルームレスを実現しています。上記の2つの例のテクニックとは異なりますがあしからず。また、ハム同期は開発中ですので、そのうちに実装されると思います。
以上。

教科書;Molecular and cellular MR Imaging

Update : 2008年05月17日 (09:29 PM)

 数ヶ月に購入して一度は跳ね返された教科書(ISBN:0-8493-7252-6)の再攻略を試みました。Molecular/Cellular イメージングを2008ISMRMトロントでさんざん勉強しました結果、おおかたの内容がチラホラと理解でき、大変に満足しました。いっぽうで、すでにこのように教科書が、もちろん英文ですが、すでにしっかりと出来上がっているという米国の生物科学のスピードと著者のバイタリティにも恐れ入ります。来週の大宮で行われる日本分子イメージング学会での、米国勢と日本勢の進行度の開き具合に注意したいところ。
 さて、そうやって教科書のページをめくっておりますと、何やら見たことのある画像が! セクション16.2.3にHuman Embryo MRIの解説があるではないですか。それは松田善正さんのMRM論文が完全に引用してあり、雑誌社の許可を得て画像(Fig.8)を(P285の右上に)掲載(Fig.16.1として)しているという但し書き。博士論文の内容も海を越えて評価されている証拠だと思いますし、素晴らしいですね。トロントではこの研究内容の続きを巨瀬研の後輩がポスター発表していましたので、店番を手伝っていましたら、「まず最初に聞きたいのですが、Chemically fixedとはどういうことですか?!」と質問されました。生きたembryoを麻酔か何かで固定するかのように勘違いされたようです。「京都大学塩田研究室には世界に類を見ない貴重なembryoコレクション(京都大学大学院医学研究科附属先天異常標本解析センター)があるのです」と説明しておきました。
 ということで、今回のまとめとしては、分子イメージングが生きたembryoにまで応用される日はそのうち来るように思います、もちろん超並列も流行りますでしょう、という言葉で締めくくりたいと思います。

ソフトウェア開発委託契約書セミナーに参加して

Update : 2008年05月16日 (10:14 AM)

ソフトウェア開発委託業務にはさまざまなリスクが付き物です。
どのようにしたら請け手のリスクを減らせるか、という解説でした。
対策としては、
●打ち合わせ段階で議事録をしっかり取っておく。
●各自の責任者を選任し契約書に規定しておく。
●ソフトウェア開発において、途中の仕様変更は必ずと言って
 いいほどある。そのため、契約書には仕様変更の手続き・開発費用・納期等
 を協議できることを契約書に明示する。
●議事録をしっかりとる。
●受託側は、リスクを減らすためにできる限り詳細な仕様を確定させてから見積もる。
 などです。
訴訟騒ぎになったらお互い負けだそうです。
トラブルが発生すると、どちらも多大な損害を被ることになるので、
契約書作成段階での「ほうれんそう」がとても大切ですね。

アクシャル、サジタル、およびコロナルの読影の話

Update : 2008年05月14日 (03:12 PM)

皆さんご存じのように、人体および動物のMR画像には、表示されるべき方向があります。
DICOMに対応したMR画像には、H、F、R、L、T、B、A、およびPの標識が入れられますが、それでもやはり混乱してしまいます。弊社ソフトも表示向きの変更はようやく対応できるようになりました。マークを入れるのはもう少しです。
<放射線科で人間のMR画像を見る場合>
・アクシャル;体の右側が、画像の左側になるように見ます。お腹や鼻は、画像の上方をむきます。
・サジタル;お腹や鼻が、画像の左側になるように見ます。頭は画像の上方、足は画像の下方。
・コロナル;体の右側が、画像の左側に、実際の患者さんと向かい合う感じに。頭は画像の上方。
<脳外科で人間のMR画像を見る場合>
・アクシャル;頭の右側が、画像の右側になるように見ます。鼻は、画像の上方をむきます。
・サジタル;鼻が、画像の左側になるように見ます。頭頂は画像の上方、首は画像の下方。
・コロナル;不勉強でどなたか教えてください。背中側からもしくは顔側からどちらから見るのか。
<小動物の研究者が小動物のMR画像を見る場合>
一般的に小動物(マウス/ラット)をイメージングする場合、鼻を体軸に同じくするよう、顎を突き出して撮像することが多いですので、首の前後で、アクシャルとコロナルが入れ替わってしまうようです。いろいろ解剖の教科書を見ていましても、表記がまちまちで、頭部のコロナルとアキシャルをしっくり定義しているものはあまり見当たりません。とはいっても決めなくては仕方ありませんので、下記のようにしたいと考えています。マウスはおもにうつ伏せにMRI撮像しますので、背中なら見た画像のほうが素直でしょう。マウス/ラットは、顎を伸ばした状態を基準と考え、体の頂上は、鼻であることを前提とします。つまり、被写体の形状を、鼻と尻尾を引っ張り伸ばした円筒形であると仮定する。
・アクシャル;頭・体の右側が、画像の右側になるように見ます。頭頂・背中は、画像の上方にある。
・サジタル;鼻が、画像の左側になるように見ます。頭頂・背中は画像の上方、顎・腹は画像の下方。
・コロナル;頭・体の右側が、画像の右側になるように見ます。鼻は画像の上方、尻尾は下方。
という風に、右は右、左は左、としたほうが混乱が少ないのではないでしょうか。
ここまでまとめたところで、歯学部放射線科(脳外科に近い?)もしくは動物病院、というのはどういう画像の方向で読影されているのでしょうね。
****以下は番外(プロ志向)
<MRI装置屋が、MR画像を見る場合の好み>
・画像の左右がリードアウト、上下が2次元位相エンコード、奥行が3D位相エンコード方向です。
なお、MRI屋は頭の中で画像を上下左右入れ替えることに慣れているので、前述の定義はほとんど意味がなく、リードアウト方向が左右でないと、気持ち悪くて仕方ありません。画像の左右端が可聴域フィルタで切れているかどうかも、すぐにチェックしてしまいます。

ISMRM2008を振り返って;Molecular/Cellularイメージングに注目して

Update : 2008年05月11日 (10:21 PM)

ISMRMにおけるハードウェアや計測手法の発展は、この10年が、SENSE、DTI、
および高磁場化に刺激されて牽引されてきたことは誰しもが認めることであろうが、
特にハードウェアは次のレベルへ上がるためには大きな投資が必要な技術領域に
入ってきているため、一般の大学の研究者はそのような本流には組み入れられず、
非常にニッチな領域か、実用化には到底なりそうもない研究を始めるしかない
ような状況に陥っていることも否定できない。
その一方で、Molecular/Cellularイメージングを用いた小動物の研究発表が数を増して
きている。MRIの装置説明すらしない発表者もいるが、基礎研究は4.7Tもしくは7T
で行い、将来的には1.5Tへダウンサイズして臨床まで持ち込みたい、という暗黙の
了解があるようだ。(我々のマウスラット用MRIは先を進み過ぎているようだ)。
Molecular imagingとcellular imagingは言葉の定義の上でそれなりに区別されている。
米国の学会かつ医学会であるのでDiabetes, Angiogenesis,などの治療を最終目的とした
研究が多い。MolecularイメージングはNIHのMICADウェブサイトに現在利用可能な
何十種類かのデータベースが公開されている。CellularイメージングはSPIOかUSPIO
をおもに用いる。日本であれば、何かといえば癌もしくは癌の可視化の研究になりがち
であるが、ISMRMではあくまで癌のセッションは全体の一部である。
Molecular imagingは、抗原抗体反応、ペプチド結合などを利用して、標的の造影効
果を得ようとするものであり、手法は数多くある。キーワードだけ羅列すると、
αvβ3、19F(つまりフッ素のMRI)、CEST、EPCs、HDL,MntR,等である。
19Fは、ナノ粒子(C10F20O5,15crown-5Ether等)を用いることにより、単原子状態
よりも数十倍も感度を上げている。医学生物学における可視化モダリティとして、
CT,US,MRI,および19Fと称して、19Fを4つ目に取り上げている大物研究者の発表
もあり、ナノパーティクルによって新しい19Fの時代が来ていることが実感できる。
ハードウェア寄りの研究者が、今更ながら、マウス用の19F/1Hのデュアルチューン
コイルを開発して学会発表などしているのはこの辺が理由であると考えられる。
CESTは、MT(Magnetization transfer)を利用して1HプロトンNMRのサイドローブ(数ppm)
を励起しコントラスト変化を狙うものである。NMR的には玄人好みで面白そうである。
Mn2+を用いるMEMRIもMolecularイメージングに分類されるようであり、まずは簡単
に脳を造影できることや、生体への刺激を工夫すれば、たとえばマウスに40kHzの音
を聞かせる等によりコントラスト変化を得ることなどから、脳研究の手法として徐々に
一般化してきているようである。
Cellular imagingは、生体から取り出した細胞(Stem, Islet)に造影剤を浸透させ、こ
れをまた体内に戻し、目的の部位の造影効果を得ようとする。おもに、陰性造影剤
が使われる。SPIOやUSPIOが用いられ、1~10個の細胞数でも、マウスのMRIで
あれば可視化できるとNIHの小林先生は力説されていた。
体内の細胞レベルでの障害を復旧させようとするStem/Islet細胞の能力に期待し、
そのような箇所に細胞が流れ着いて定着するのが造影効果を伴って見える。糖尿病
の患者にUSPIOを導入したIslet細胞をInjectし、膵臓に定着するのを確認しながら、
血糖値も計測する、というのが理想的な目標であろう。
Cellular Imagingの弱点は、Feパーティクルを保持した細胞が細胞分裂すると濃度が
下がり、死んでしまうとマクロファージに取り込まれて移動してしまうという点で、
これらが組み合わさると、陰性造影剤であることも災いし、パーティクルの位置を
見失うため計測が成り立たなくなってしまう。
いずれの手法にしても、計測対象の部位に近いところでinjectionがなされる方が
効率が良い。動物実験では多めの量を投薬しても問題がないかもしれないが、臨床
を目論む場合は大きな課題がある。投入物そのものの量にかかわらない毒性もある。
血管にcatheterを導入し、MRIによるガイド下でinjectionがなされることが多い。
リアルタイムMRIを少しかじった人間にとっては、うれしい進展でもある。
現在、interventional MRIという言葉は、このような移植手術ために使われている
ようで脳手術を意図していたのは過去の事になってしまったようだ。
いっぽう、超偏極のNMR/MRIも、可視化したいターゲットにたどり着く前に信号が
減衰してしまう問題があり、同様な効率のよいInjection方法が提案されてきている。
繰り返しなるが、確認しなくてはならないのが、Molecular/Cellularイメージングは
単なる造影効果を狙うのではなく、実際の患部の治療を目的としているものがある点
である。散見されるMolecular/Cellular imagingのMRIへの応用の発表では、たとえば
造影効果のあるGdの周辺に治療薬をカプセル化して付与しているものも多く、もしく
は幹細胞に造影剤を付加して可視化できる状態で体内投与されている。つまり、治療
と可視化の両方を実現し成功率を少しでも担保しようという方向性が非常に強くなって
きていることである。これは、新しい手法が臨床まで持ち込まれるまでに必要な時間を
短縮するのに非常に大きなメリットとなるであろう。
可視化という観点からは、X線装置の世界でも同様な造影剤の提案がなされているよう
である。また、X線およびMRIでも同時に造影効果のあるもので、さらに治療効果のある
分子なども開発が進められているとの発表もあった。
いずれにせよ、縦割りに分割された研究チームではこのような問題もしくは課題に
全く対応できない。日本が世界に遅れないためにはどうすればよいのか。
自分自身の行く末のみならず、世間の動向も気にならずにはいられない。
巨大な資本が動く再生医療というキーワードにも引っかかる技術であろうし、世界戦
を戦っていくためには、垣根を越えたチーム作りが必要に思われる。
***************以下用語説明のため
Islet(アイレット)
CEST(セスト)
MICAD

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